小泉 愛
Message
私たちのプロジェクトでは、私たちを取り巻く環境と脳・身体との相互作用が、感情や知覚、行動、そして心の健康にどのような影響を与えるのかを探究しています。特に、不安の感じやすさや感覚情報処理、ニューロダイバーシティなどの個人差によって、同じ環境でも、ある人には心地よく過ごしやすい一方で、別の人にはストレスや障壁となり得ることに着目しています。
こうした問題意識から立ち上げたMental-Barrier-Free Design Scienceでは、脳科学と建築・環境デザインをつなぐ研究に取り組んでいます。基礎的な神経科学研究に加え、生理計測、没入型環境、計算論的アプローチ、実環境での研究などを組み合わせながら、空間や環境の感覚的・空間的特徴が脳や身体に及ぼす影響を明らかにし、その知見を、より多様な人が過ごしやすい環境の設計へとつなげることを目指しています。
また、こうした研究の基盤として、恐怖や不安、記憶を支える脳・身体メカニズムの解明や、過剰な恐怖を和らげるための神経科学的アプローチの研究にも取り組んでいます。
人が画一的な環境に自らを合わせることだけを求めるのではなく、環境の側からも脳の多様性に歩み寄る。 そのための科学をつくることが、私たちの目標です。
Profile
ニューヨーク州立大学 卒業(心理学・映画学ダブルメジャー)、東京大学大学院 人文社会系研究科で博士号(心理)取得。コロンビア大学心理学部、情報通信研究機構 脳情報通信融合研究センター 研究員を経て、現在はソニーコンピュータサイエンス研究所 リサーチャー。これまでに、慶應義塾大学政策・メディア政策科 特任講師、国際電気通信基礎技術研究所 連携研究員、科学技術振興機構 さきがけ研究員、日本学術振興会 特別研究員・海外特別研究員・卓越研究員、NTTコミュニケーション科学基礎研究所、日米科学技術協力事業「日米脳」共同研究員を歴任。